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西工のあゆみ 挑戦と栄光の半世紀

福岡市内線代替バス

RE121

 かつて,西鉄の市内電車は福岡市内線と北九州市内線を合わせると,日本一の路線延長を誇っていた.このうち,福岡市で市営地下鉄建設が決定し,円滑な工事のため,地下鉄開業に先立って廃止されることとなった.地下鉄のルートとなる貫線や貝塚線などは福岡市の代行という意味で「代行バス」と呼ばれ,その他の城南線などは「廃止代替バス」となった.代行バスの運行主体はあくまで福岡市との建前であるが,実態は一括して西鉄が運行することとされた.
 空前の規模でバス需要が(一時的にではあるが)拡大することから,新たな技術の導入が指向され,乗降時間短縮のため「中4枚折戸」の標準採用,電車のわかりやすさを引き継ぐため「大型方向幕」の採用などが実施された.いずれも後に国産バスで広く採用されていく技術であるが,さらに,西鉄ならではの細かい配慮が「西工標準」として引き継がれている.
 例えば,中4枚折戸は,2名が完全に同時に乗車可能であるが,手すりを中央に設けることで車椅子を乗せにくくなってしまった.そこで,中央手すり位置をわずかに後方にずらし,一般的な車椅子なら乗せられるようになっている.(都営バスはこれがクリアできず,結局中央手すりを省略してしまった.) また,冬季の車内保温のため,前半分だけ独立して閉扉できるのも西工標準であり,岡山電気軌道などのようにこの機能を常用するユーザも現れたほどである.
 のちに,福岡市内線代替代行バスは,福岡市内線廃止から市営地下鉄開業までの間の市民の足という大任を無事果たし,日本のバスに新技術という確かな足跡を残して,終了した.なお,上掲の写真は,福岡市内線代替車そのものではない(日野RE141都市低床)ので,了承されたい.

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