トップスルッとKANSAI基礎情報今後の展開予定

スルッとKANSAI基礎情報
今後の展開予定

 磁気カード式のスルッとKANSAIは参加社局が43に達し、エリア拡大は一段落といったところです。現在はICカードの「PiTaPa」拡大に取り組んでおり、順次エリア拡大中です。
PiTaPaとは?
 ソニーのフェリカ技術をベースとしたICカードで、サイバネ規格に準拠しています。鉄道・バスともにアンテナ部にタッチするだけで利用可能。
 スルッとKANSAI加入社局をピタパのカードで利用する際は「ポストペイ」を基本とするのが最大の特徴です。社局ごとの利用額を毎月集計し、後日まとめてクレジットカード支払いや銀行口座引き落としにて支払う方式で、世界で最も進んだサービスと言われています。システム構築は三井住友カードが担当。
 ピタパはポストペイのため、各種割引サービスが用意されています。毎月の利用実績に応じて各社局が独自に用意する割引を自動で(一部は事前申込み必要)適用します。
 ICカードについてはJR東日本が先行してサービス開始したこともあり、共通化に向けてピタパにもプリペイドカード機能が標準搭載されています。ピタパはチャージ不要と宣伝していますが、この機能を使用する際にはチャージが必要です。
 また、定期券については区間指定割引等で代用する方針で展開していましたが、利用者からの要望が強く、2006年夏を目処に定期券の設定が開始されることになりました。
 ピタパは最初からショッピング機能を搭載した形で開発されており、ピタパ本体が持つ少額決済機能(タッチして支払い)と、提携カードによるクレジット支払い機能があります。少額決済で買い物をするとポイントがたまり、貯まったポイントは運賃支払いの割引に自動充当されます。
PiTaPa導入の予定
導入済阪急電鉄、能勢電鉄、京阪電気鉄道、大阪市交通局(地下鉄、ニュートラム、バス)、阪神電気鉄道(鉄道)、大阪高速鉄道(モノレール)、北大阪急行電鉄、阪急バス(清和台、猪名川)、神姫バス(三田、篠山)
2006/夏南海電気鉄道、大阪府都市開発(泉北高速)、山陽電気鉄道(鉄道)、神戸高速鉄道、神戸新交通
2006/秋大阪空港交通(一部)、岡山電気軌道、両備バス、下津井電鉄
2006/秋〜神戸市交通局(地下鉄)、北神急行電鉄
2007/春近畿日本鉄道、奈良交通、静岡鉄道、しずてつジャストライン
2007/春〜京都市交通局、神戸電鉄、神姫ゾーンバス

 バスについては営業所単位で順次導入の社局がほとんどです。OKKは川西線のみと予想、近鉄は名古屋営業局管内も含めて導入検討中との事。
 岡山、静岡など関西エリアを越えた導入も予定されており、地方で独自のICカードシステムを構築するには負担が大きい事業者での採用が今後も増えるのではないかと思われます。
JRとの共通化
 磁気カード時代の宿敵とも言えるJR系との共通化が、ICカードで実現しました。
 現在JR西日本の「イコカ」との共通化が実現しています。JR西のシステムはプリペイド方式しか対応できないため、ピタパのプリペイド機能を使用して共通化。このため、ピタパ系のカードでもチャージが必要になります。これまでチャージ機を設置せずに済んだピタパ勢ですが、一斉に券売機や精算機を更新してチャージできるようにしています。
ただし、現金チャージしかできないのではピタパ系カードを所持しているメリットがないので、事前登録すれば「オートチャージ」ができます。すなわち、プリペイド残額が1000円以下の状態でピタパ社局の改札機、車載機(大阪市バス除く)を利用すると、自動的に2000円積み増しされるというもの。JR西の改札機ではオートチャージできないのと、プリペイド残高はピタパ社局で利用できないのとで、少々不便は残ります。なお、現金チャージはカード種類にかかわらずJR西を含めどの社局でも可能です。
 他方、イコカでピタパ社局を利用する場合には、プリペイドにて使用することになります。但しピタパの各種割引は、ピタパ系カードのみで適用されます。
 JR西日本とJR東日本の共通化は一足先にスタートしていますが、ピタパとJR東のスイカとの共通化はもう少し先になりそうです。現在でもイコカではJR東の私鉄連絡改札が利用できないなどの制約があり、機器側の対応を含めて、準備に時間がかかるのではないでしょうか。

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