いすゞとして初めて本格発売したノンステがKC-LV832。西工にとって本格的なトルコンATを使用したタイプとしては初めてのことで、構造も従来のLVとは全く異なることから、製造番号は55を使用しています。1〜3が大阪市、4以降が京都市となっています。
小排気量のL6-TI付きエンジンを横置き直立に搭載し、これにアングルドライブ付きトルコンATを組み合わせるという手法のノンステで、中扉から後方はスロープになっています。
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ボデー構造で注目点がいくつかあり、一番大きいのは、側面窓上辺と雨樋との間が開いた、いわゆるノンステらしい構造になったことでしょう。と言っても、他ボデーのように大きく幕板が出て美観を損ねる、といったことはなく、そこは「西工らしい美学」でうまくまとまっています。今や幕板はノンステでは常識的に間延びしてしまっていますが、西工ではこの型式が初めてでした。
また、ボデー裾の下端処理において、板を裏から張り合わせたような日野車体と同じデザインが見られるのも特徴。
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何と言っても刺激的な眺めは、このリヤでしょう。西工としては初めて、リヤ窓を一部埋めたスタイルとなり、点検蓋もプレスライン上にあるなど苦心の跡がうかがえます。エア取り入れ口の黒パーツは左右とも省略され、ちょっと間抜けになっています。いすゞの仕様で、マフラー出口はバンパー内に設けられ(予想通り相当に汚れています)、標準のLVでは切り取られていたバンパーの下側プレスライン部分が復活しています。でも、これだけ変でも、ちゃんとそれなりに見られるデザインに収まっているのは、さすが西工。悪く言えば、保守的?
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こちらも刺激的?非常口の後方には窓がありません。日デRNで先例はあるにはありますが、こんな位置にルーバーがあると、ちょっと勘が狂います。余談ですが、RABA(ハンガリー)のアクスル中心のデザイン、昔のいすゞに似ていると思いません?
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