新規制車向けボデー |
近年ますます強化される排出ガス規制で、シャーシのモデルチェンジも非常に頻繁かつ複雑になってきました。一方で西工の路線車「96MC」も、はや9年目。てなことで、新短期規制および新長期規制の適合車からボデー細部のモデルチェンジが実施されました。
今回の対象は主に大型車で、一部先行した日デの中型系(PB-RMとPK-JP)は一部分のみ反映されています。実際には58MC→96MCほどの変化は見られず、マイナーチェンジと言える内容です。
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まずボデー関係で目に付くのがタイヤのホイールアーチ。これまで58MC以来大型は釣鐘形状でしたが、中型同様の真円になりました。ラバーフェンダーは健在です。またJPのワンステはKL-車までFRPのオーバーフェンダーでしたが、PK-車からノンステ同様ラバーフェンダーに統一されています。リヤ側は張り出し量が大きいので、相当太いフェンダーになっています。
中扉はノンステ標準の関係もあり引戸の採用が多くなっていますが、KL-車の東京都交通局向けで試行された「接着式」の戸袋窓が標準仕様として展開されています。最後部の側面窓は、左右とも接着式になっており、車内の窓下パーツもごていねいに作り分けられています。
中型系では、日デといすゞでは取扱が異なっていて、日デは戸袋窓と側面窓最後部は従来通りサッシ式ですが、いすゞは接着式固定窓が標準です。
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前バンパーでは、フォグ・コーナーリングランプ周囲のデザインが変更されています。構造面では、58MC以来続いてきた側面窓最後部の黒パーツが廃止に。元々この黒パーツはサクションダクト(吸気口)を兼ねていたのですが、最近はメーカ指定位置がかなり下がってきており、この箇所にダクトを配置することが困難になってきたためと考えられます。写真でお分かりの通り、側面窓最後部が接着式になり、黒パーツがなくなっています。
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灯火規制への対応 |
灯火規制への適合は、ボデー改良とは本来関係ないのですが、シャーシが新短期・新長期規制に適合するのと同時に灯火規制にも適合した関係で、特にリヤの眺めが随分変わりました。この写真はいすゞの例で、J-BUS宇都宮ボデーと同じく汎用タイプを低い位置にマウントしています。
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右は日デの例で、これは日産シビリアンと同じパーツを流用。灯火規制は取り付け高さだけでなく配光特性も規定があり、従来と同じパーツに見えても実は別部品という事があります。
側面裾のリフレクタ(反射板)取り付けも灯火規制によるものです。またリヤの番号灯の光量アップもうたわれており、増灯などで対応されています。シビリアンテールの場合はボデーにビルトインされた灯器でスマートに見えます。
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