1. 側面窓下 |
1. | 58MC最初期は,茶色プラ製の約100mm幅のパーツが取り付けられており,中央部には,横引きカーテンにした時の下側カーテンレールになる部分がある仕様が標準であった.カーテンレール部は,大抵の場合ロールアップ(ワカメ)カーテンなので不要であり,黒ゴムが詰められる. |
2. | 1990年頃までは,上記パーツのカーテンレールを最初から省略したパーツが主流であった.色は茶色のみ.このパーツは元々,肩が当たる部分でもあるので,結露時の滴対策の意味合いもあるのだろう.このパーツ下にモケットを貼るユーザ仕様も多い. |
3. | 1990年頃以降は,小振りなアルミの約50mm幅のパーツが標準になる.カーテンレール部分は必ず付属し,使わない場合は黒ゴムが入る.色は茶色のみ. |
4. | 側面窓がヒドンピラーの場合,独自デザインのアルミ製一体型になる.これは窓枠も兼ねており,カーテンレールは無い. |
2. 冷房ダクト |
1. | 左右屋根肩に必ずある冷房ダクトは,天井側と側面側の両方で一旦折れ曲がる形状が標準.ヂーゼル機器の分散式の場合,ユニット部分だけダクトが存在する仕様も可能. |
2. | 天井側の折れ曲がりをなくして,曲面からそのまま天井につながるデザインのもの.この場合,側面側がやや厚くなり,窓側にうっすら折れ目が入る. |
3. | KC-車から,1.の仕様にて天井側が垂直に折れるように変更された. |
4. | 天井側の折れをわずかに小さくしたもの.96MC途中で追加された. |
5. | 曲面ではなく,角形断面のもの.荷物棚を設ける箇所や自家用に多い. |
3. シート |
1. | 天龍製.九州天龍工業から購入する.正確にはボデーが準備しているパーツではない.各種デザインが存在する.ほとんどのユーザはこちら. |
2. | 杉本工業製.西鉄との共同開発によるレッグレスシートは非常に優秀.夜行高速車のスリーピングシートで有名. |
4. その他 |
車室内は,ユーザ仕様に大きく依存するので,余り詳細な分類は意味をなさない.最近「標準化」が叫ばれるようになっているが,元々西工は柔軟な仕様対応を最も得意とする所であり,それを織り込んだ価格設定になっているため,むしろシャーシ仕様の統一の方がコスト削減に直結するという特殊な事情もある.
個別設計という観点では,西工においては「西鉄」の存在が非常に大きい.図面の個別指示でも「西鉄車と同一」という表現を時折見かける.細部までよく検討された西鉄仕様は一見の価値がある.各社の仕様策定ご担当におかれては,ぜひ研究されたい. |