人は見た目で判断するもんじゃないよね。
白い羽織に青い袴。おもちゃの刀(セルロイド製の安っぽいの)。小道具のりんごをかじっている、橘右京のコスプレをした男の人。
「俺の刀で君の剣を弾き飛ばしたら、エッチな写真を撮らせてくれるってのはどうかな?」
冗談だと思ってうなずいたけど、一応剣の柄を強く握る。
右京さんの手から、りんごか飛ぶ。
パチン。
右京さんの刀が鞘に納まると、ボクの手の剣は見事に吹っ飛んでいた。
「この人、居合の有段者なんだって」
タキさん(仮名)が、右京さんのカメラを構えながら言う。
「あたしもすっかり騙されちゃって…」
タキさんが頬を赤らめる。全身タイツの股間のあたりが濡れてるけど、どんなことされたんだろう…?
大技を見せた右京さんの手は、今ボクの胸を触ってる。
「あんっ…」
ちょっと気持ちいい。
くちゅっ…
やだっ、アソコに剣の柄を入れるなんて…
早く撮って…じゃなかった、早く取ってよー。